「北ウイング」に、人は、何を思うか…

YouTubeチャンネルAKINA NAKAMORI OFFICIALに今年アップされた動画『【公式】中森明菜「 北ウイング-CLASSIC-」』が460万回視聴以上の高い数字になっている。ほんの一例だが、avexオフィシャルの『 浜崎あゆみ - One Night Carnival(ayumi hamasaki ARENA TOUR 2012 A ~HOTEL Love songs~)』が約450万回視聴。還暦前の中森明菜が、 最盛期のあゆ・ 綾小路翔タッグに劣らない再生回数を稼いでいるということだ。

「北ウイング」 というタイトルを中森明菜が提案したことは有名な話だ。 情報によれば、当初は「夜間飛行(ミッドナイトフライト)」 などが候補だったとか。「北ウイング」は、ユーミンの「 中央フリーウェイ」からのインスパイアだという。 歌詞の中の一語をセレクトした、歌い手・ 中森明菜のセンスがすばらしい…。

場所の名前は、それが、「固有」 地にある一般名称である場合に、なおさら強く、 受け手の感情を揺さぶると思う。東京ドームの「22番ゲート」 のように。訪れたことがある者には「記憶」の力が、 訪れたことがない者には「想像」の力が、 受け手一人ひとりにオンリーワンのイメージを喚起させる。

「北ウイング」は、 この歌の舞台と思われる成田国際空港だけではなく、羽田空港(東京国際空港)にもある。羽田第1ターミナルのそれは、北海道・ 東北・北陸・東海・近畿方面であり、夜間飛行はない。ただし、「 北ウイング」の主人公が目指す“別の霧の街”はある。おそらく、 摩周湖のそばに。

サウダージby中森明菜

中森明菜のカバーする「サウダージ」。1か月ほど前にYouTubeにアップされたが、この曲を選ぶセンスの良さたるや。ファルセットを使わずに、ほぼ地声で歌っているが、まるで、自分の楽曲のように違和感がない。言葉を噛み締めるように、丁寧に、伸びやかに唄う明菜節。得意のウィスパーではない、太く強い歌声に、還暦前の歌姫の自負を見た気がする。その自負をかたちづくるのは、シンガーとしての意地と情熱にほかならないと思う。

「ミステリと言う勿れ」とローレンス・ブロック

フジ月9「ミステリと言う勿れ」。

人気漫画のドラマ化という期待に応え、 演出も役者陣も脚本もスバラシイ。

週末に劇場で観た「~ノー•ウェイ•ホーム」 がいまいちだっただけにうれしい。

第1話のイヤミス感は、同じく[復讐] をテーマにしたローレンス• ブロックの名短篇を思い出させてくれた。 あの小説は何というタイトルだったか。